異邦人

2020年12月8日

ラジオをよく聴きます。流しっぱなしという感じです。自分の好みの曲をリクエストしているよりも、新しい情報を得る機会が増えることで、そうしています。
 
最近、久保田早紀の「異邦人」が、比較的よくかかるような気がします。エレファントカシマシの宮本浩次が、女性アーチストのカバーアルバムを出して、そこで弾けて歌っているのも影響しているのかもしれませんが、それ以前からかなり聴かれていました。
 
単に懐古趣味というのではなく、この歌のもつ雰囲気、またなんといってもその歌詞が心を惹くのではないかと推測します。いや、全くその歌詞の凄いこと。
 
この曲の発表やヒットについてもいろいろなエピソードが明らかになっていますから、関心がおありでしたら検索してみるとよろしいかと思います。
 
久保田早紀さんはその後、キリスト教界では知らない人がないほどの逸材として活躍することになりました。久米小百合という音楽伝道者としての使命から、一時は「異邦人」のイメージのために悩んだと思われますが、その後は、「異邦人」も大切な要素だと受け止め、楽しむようになった、というようなことを聞いたように思います。
 
福音アーチストとしての久米小百合さんは、かつて「テヒリーム」というアルバムを出しました。讃美歌を少しポップにアレンジしたもので、歌声は澄んで、また信仰が漂っているように聞こえて驚きました。そして「テヒリーム」というヘブライ語に最初に私が出会ったのも、このアルバムを通じてでした。
 
自分の音楽の運命を変えた作品「異邦人」が、その後招かれた聖書の世界の中で、「異邦人」という言葉で大切なメッセージが表されていることを知ったとき、どう思われたでしょうか。なんだか摂理のようなものを感じる、などと私が言うと、オーバーな奴だと言われるでしょうか。異邦人のひとりとして、今日も空を見上げます。



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