列車位置情報
2026年1月28日

JR九州でも、「列車位置情報」なるものがスタートした。ウェブサイトから、特定の列車が、いまどこを走っており、遅れがあればどのくらいかが表示されるというのだ。遅れが生じたとき、アナウンスがなければ、これからどうなるのか分からない場合もあったから、この情報開示は大変ありがたい。
先般、妻が福知山に行く機会があった。その事情については割愛する。新幹線で京都まで、京都からは特急で向かう。一泊二日の弾丸ツアーだが、これまでも何度もやっていることなので、要領そのものは本人は把握している。
ただ、乗り継ぎを予約しているものだから、最初の列車にかなり遅れが生じると、非常に拙いことになる。事故でもあろうものなら、ついに辿り着けない、という可能性もある。わずかな遅れなら計算しておいても、大きな遅れは対応できない。京都駅で、新幹線から山陰線は一番遠く、たいそうな距離があることも、もちろん考慮しているから、走るように急ぐのではあるのだが。
特にこの冬という時季は、きつい。雪が、列車をまともに走らせることを妨げる。そしてその日、日本を寒波が襲っていた。長期の寒波と報じられた。だが、どうしてもその日でなければならない事情があったのだ。
なんとかなるさと強行した妻だったが、こちらは心配でたまらなかった。雪で列車が立ち往生し、暖房が切れた、などというニュースがいつかあったことを思い出すのだ。また、乗換ができなくて、極寒のホームで立ち尽くすことも、体によくないのは明らかだ。
福井方面や、鳥取方面は、すでに止まっているという情報もあったし、山間部は何メートルも積雪がある、とも報じられていた。それでも、行かねば、との思いから、妻は5時台の列車で博多駅に向かった。気温は低かったが、福岡の交通には問題がなかった。
ここで、JR西日本のウェブサイトが活躍する。初めに挙げた「列車位置情報」は、JR西日本では、すでに運営されており、山陽新幹線も、山陰線も、列車の位置や遅れなどが、一目瞭然なのである。列車の中にいる妻はもちろん車内情報があるが、このウェブサイトで、こちらも手に入るように分かった。いまはどこで、どのくらい遅れがあるのか。そうしたやりとりを、LINEで交わしつつ、先行きを見守っていた。
奇蹟のようだった。殆ど影響なく、福知山まで着いたのだ。
そこの冬を、一度だけ運転したことがある。道路の幅は、雪のために半分になる。どこが道の端か分からないような場所もできる。妻はもちろん車ではなく、バスで行く。そのバス停が雪に埋もれている。そういう情況は、もちろんそこで生まれ育った者は周知している。が、坂道を歩いて登るとき、雪一面の道路では、車の轍を歩くしかない。と、坂の上から車が降りてくるようなこともあるから、命懸けで脇へ一時避難しなければならない。
こうした事態は、もちろん予測していたため、妻はめげずに目的地へ歩いてゆく。そして目的を果たすことができた。翌日午後辺りまで、ある役割が任されていた。すると翌朝、山陰線で人身事故が起こった。一時、完全にストップした。
このままだと帰れないではないか。また、運転再開しても、遅れると新幹線に乗れなくなる。昼前に山陰線は走り始めた。だが当初は遅れがあった。しかしやがてそれは解消されてゆき、乗車する頃には、定時走行ができるようになっていた。これもまた奇蹟のようなことで、無事定刻に福岡に戻ることができたのである。
祈りは、自分の都合のために、自分勝手な願いばかりぶつけるものではない、と考えている。神の思いのままに、最善をなしたまえと見上げるほかはない。だが、やはり無事を祈る気持ちは、当然あるはずだ。その祈りは、余すところなく聞かれ、守られた。列車位置情報は、こうした事態を見守る側にも、安心を与えてくれるものだった。私は日々の出勤で、事故の発生がないか始終気にしているが、JR九州でも列車位置情報の公開が始められたことを、感謝したい。