80年目の沖縄慰霊の日
2025年6月23日

戦後80年という区切りは、数字の上での気持ちからでもあるが、深く刻み込みたいと思う。人生で80年を迎える人は、いまの世の中で珍しくはないが、物心ついてからの80年を経験する人は、200万人ほどいるという。60人に1人くらいという割合は、必ずしも小さくはないかもしれない。が、これがいまの「戦争体験者」と呼べる人々のことなのである。
沖縄では、今日「慰霊の日」として記念行事が行われる。私は度々口にしているように、この日付には大いに問題意識をもっている。軍人が自決した日がシンボルとなることを、それでよしとは考えたくないからである。だが、沖縄の人々が、何らかの日を以て共に戦争を偲ぶ機会そのものは、もちろんあって然るべきだと思っている。
沖縄の人になりかわり、何かを偉そうに言うつもりはない。だがいまでも、沖縄では、戦争の影響を受けている、ということは認識すべきだと考えている。基地問題ひとつとっても、現在も解決されていない問題なのだ。それは、当地の人々の声を聞こうと耳を澄ませれば、聞こえてくる。
もちろん、敢えてそのようなことを言わない、という人もいる。若い世代には、実感できないということもある。そしてそれを理由に、ヤマトの人間が、沖縄戦で日本軍や日本兵が何かよくないことをしたというのは嘘だ、とフェイク気取りで涼しい顔をして発言するような者もいる。有力な政治家の中にも、そう発言する人が実際いるわけである。
そういうことだけは、やめてもらいたい、と願いたい。
しかしまた、私もヤマトの人間の一人である。私が正しいことを言っているというような前提は、立てるべきではないと考える。
「正義なんて信じちゃいけないんだ。そんなもの、簡単にひっくり返るんだから」先週の終わりに、朝ドラ「あんぱん」で語られた言葉が、重く響く。私がいつも告げていることを、言ってくれたと思っている。先週の放送は、ずっと重かった。だが、たぶんこのドラマ全体の、中核に位置すべき週だった、と私は勝手に解釈している。