2日続けてこれでは
2025年5月22日

その日、必要があって、写真をプリントアウトしに、百円ショップに立ち寄った。安いが品質がとくに悪いということもないようなので、時たまだが利用している。
エラーが出た。フィルムか何かが切れているといい、店員に知らせよと表示が出た。客としては、ただ知らせるしかない。いまはレジが自動化しているから、補助する意味で店員がひとりだけレジの場所に控えている。若い男性だった。
事情を理解すると、彼はもうひとりの若い男性に相談しに行った。「したことある?」「一度したけど覚えていない」と、ひそひそ話が聞こえる。明らかにアルバイトだった。二人は別の店員を頼りに向かった。若い女性店員が一緒に来た。こちらは雰囲気からすると正社員のように見えた。
ここから、三人でプリント機を囲むこととなった。使い方のような小冊子を開いて、ああでもないこうでもない、と話し合っている。客の私に配慮するゆとりすらなかった。機械に手出しができないままに、おそるおそる触ろうとしては手を引っ込めてマニュアルを見ている。
こんなことが数分続いた。たまりかねて、私は「まだかかりますか」と訊いた。女性の店員が愛想笑いをして、「まだです」と答えた。私はそこで何時間も待つゆとりはなかったので、ではまた今度ということで店を去った。
妻が呆れていた。妻の勤めるのは小さな医院だが、印刷機についてサッと扱えないと業務ができない、と言う。もちろん、医療への従事が本業だが、そこで扱う機械に通じていなければならないのは常識中の常識であるのだという。確かにそうだろう。
その百円ショップでは、以前も写真用紙が切れたことがあった。そのときには、男性の店員が、すぐに準備してくれた。だから今回、機械を知る店員がいない、ダメな時間帯もあるのだろう、というくらいに考えることにした。それも店としては失格級なことだとは思うが、なにも怒りをぶつける対象にはならなかった。
激しく急ぐ写真ではなかったので、その写真をプリントアウトするために、翌日もそこに寄った。前日の気まずさのようなものがないわけではなかったが、別の用事のついでであったから、その店に立ち寄るのが都合が好かった。流石に2日連続でトラブルは起こるまい。レジのところにいるのは、昨日いた人とは全く違う。いわゆる主婦のアルバイトのように見えないこともないが、店員であったかもしれない。
今日は機械が動いた。お金を入れて、プリントが始まった。二枚出たところで、止まった。今度用紙が切れたらしい。呪われているみたいな気もしたが、とにかく店員に知らせるしかない。その女性は、またもう一人に相談していたが、機械について知らないわけではなさそうだった。
早速交換に取りかかった。写真が二枚だけ出ているボックス部分を無造作に外して降ろす。どうやらそこに商品があることを認識していないらしい。振り回されて落ちそうだと心配したが、結果的に落ちなかったので、それはまあいい。
交換の用紙ももってきている。前日はそういうことさえしていなかった。ただ、本体のその部分の外し方が分からない。あれこれボタンを押したり、引っ張ってみたり、いろいろ格闘を始めた。まさか、2日連続でこれか、と不安になった。だが、何分かするとなんとか開いた。もうひとつ、交換部品を入れるところを外すのにまた難儀していたが、これもなんとかできた。後は動いた。スムーズではなかったが、続きはプリントしてもらえてよかった。
いやはや、レジが自動化して、もしかするといまのアルバイトでは、レジ打ちすらできないようになってしまったかもしれないと案じたが、だったら必要な機械操作を覚えることは、必要最低限のことになったのではなかったのだろうか。
2日続けてちょっとした災難に見舞われたけれども、結果的に写真ができたことを、むしろ感謝の一心で喜ばなければならなかったのかもしれない。ただ、店の出しているサービスがうまくできないことが分かったし、信頼というものを置かなくなったというのは、仕方がないことだった。自分もこうして職務に於いてサービスを提供できているかどうか、それも顧みる機会としておこう。