なんの正義感なのだろう。
2021年5月13日
なんの正義感なのだろう。
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どこそこの若い町長が先にワクチン接種をした。けしからん。マスコミの記事の見出しがまずそれを煽り、街角でそれを伝えてインタビューした声を報道で流し続ける。
ワクチンが余り廃棄すればなんで廃棄したと責め、それを回避するためにワクチンを接種すれば若いのになんで先に打つんだと責める。では余った分を棄てればよかったのか。報道のやり方に、悪意を覚える。
そしてそれにのせられて、けしからんと怒る群衆。
バイアル一つから6人分を、実に神経を払いながら量りとる。これが割り切れない人数とならないようにしているが、事情により余る事態が起こる。さあ、これをどうするか。一旦開けたバイアルは数時間内に使い切らなければならない。廃棄すればある意味で1人分をみすみす無駄にすることになる。この状態で、では彼はどうすればよかったのか。けしからんと吊し上げるその人が当事者だったら、どうしたのか。
そもそも保管も十日を超えることは認められない。配送業者のミスも報じられていたが、みんなそれぞれぎりぎりのところで取り組んでいる。
まず現場を見ること。ぴりぴりするのは分かるが、口先だけでなく、己れの掲げる正義感を、命懸けで仕事をしている人を責めるために用いないこと。キリストを責めた群衆の一人にならないためにも。