訪問取材に警戒しなければならないとは

2021年3月5日

福岡での幼児の衰弱死の事件。今回容疑者関係の逮捕が報道されてから、改めて事件の様子が伝わり、胸が苦しくなった。その状態が続いている。
 
知人から聞いたことだが、住民から情報を聞き出そうとして一戸ずつ訪ねる者がいたという。容疑者について何か知っているか、何気なく尋ねるのだそうだ。それが、全国紙の勧誘を装って話を始めていくものらしい。その新聞社の系列の報道番組を見たら、地元の人が話す映像が使われていたから、そうやって話をしてくれた人の声を採用したのだろうと思われる。
 
しかし、子どもに留守番をさせている家庭は、このような訪問者を警戒しなければならない。警察ならともかく、一般人が尋ね歩くのであるから、何かの事件に巻き込まれる可能性は十分にある。地元で、子どものいる家では緊張が走っている。
 
果たして、その報道関係者が新聞勧誘を装って尋ね歩いたのは、あるいはその新聞配達員が、情報を得たら報酬を与えるなどと言われて、勧誘しながら何かを聞き出そうとしたのか、その真実は不明である。だが、そもそも新聞の訪問勧誘はトラブルが多発しているし、そのような形での詐欺も横行している。
 
非常に迷惑であるほかに、治安を悪くし、また警戒を強くさせる、悪質な方法だとは言えないだろうか。テレビのキャスターが、取材の映像やインタビューを流して、事件の酷さに眉をひそめるシーンが報道番組でありがちだが、本当は眉をひそめるのは別のことではないだろうか。



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