絵本のある子育て

2020年9月25日

図書館にあった、お持ち帰り自由のパンフレットの中に、「こどもの本の童話館グループ」発行の「絵本のある子育て」というものがありました。No.40だそうですが、以前も見たことがあったような気がします。
 
持ち帰り、丁寧に読みました。絵本を子どもに与えること、しかも「読み聞かせ」ることの大切さがたくさん綴られていました。
 
実は、この件について私は少しうるさいのであって、私の三人の子の成長は、絵本のせいだと言っても過言ではない、と信じています。
 
読み聞かせの良さは、この小冊子にたっぷりと書いてありますし、世間でもよく言われていますので、ここで説明はしません。私が経験的に挙げるとしても、想像力が育つこと、ひとの気持ちを思うようになること、集中力がつくこと、親との関係が形成されること、勉強が好きになるということ、これらは絵本を読み聞かせることによる結果として、肯けるものです。
 
長男は病院附属の保育園で最初育てられました。そこでプレゼントされた絵本がきっかけでした。まだ意味も分からない中で、読み聞かせること、続けました。そして、絵本の世界が拡がっていきました。ほかの人にプレゼントされたこともありました。福岡に来てからは、図書館に通いやすい場所を選んだこともあって、いくらでも借りてくることができたし、子どもも成長すると自分で本を借りに行きました。いま子どもが成長して、さすがに絵本の読み聞かせをすることはなくなりましたが、ぶたのぬいぐるみ相手に読み聞かせることもしたくなるほどです。こちらは見た目で分かる成長は期待できないのですが、想像の中では喜んでいるはずです。
 
小学生を教えているとき、文章が読めない――という言い方は語弊があるかもしれませんが、要するに読解力があるとは言えない――子に多々出会います。絵本を読んで聞かせてもらえなかったのだろうか、という思いが走ります。おそらくかなりの相関関係があるのではないかと想像します。実のところ、この「読解力」は、以前にもご紹介した通りに、いま危機が叫ばれています。AIが実用的になる時代、読解力の無さは、職業や活躍場面の喪失に直結すると言われていますし、それは強ち杞憂ではないだろうと私も思います。大人でも、読解力というものは、皆が適切に持ち合わせているものではありません。ただの国語の点数ということでもそれは測り辛いものがあると予想します。
 
心配ばかりするのも妙ですが、もう少し明るく考えましょう。お子様を育てるご両親に、間違いないこととしてお勧めします。絵本をたくさん、日々、読み聞かせてください。騙されたと思って、やり遂げてください。わが家では、テレビにお守りさせていたことも、正直、あります。手が離せないときにはやむをえません。しかし、絵本が生活の中にどっしりとあった、それだけで、何かが違ったと思っています。テレビは楽しいので見とれますが、絵本のほうが楽しくなるのです。
 
ほんとうに、騙されてください。



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