タブレット学習の注意点
2020年7月27日
新たに、タブレットを使う授業を始めています。新型コロナウイルスによる休校措置が、リモート授業への移行を押し進めているとも言えますが、遅かれ早かれ、いずれ公立の学校も本格的になっていくことになっています。学習塾関係では、その変化に対応するために、そろそろ導入が始まっています。大人たちの教育観も変革を強いられることになることでしょう。
実のところ、生徒たちを教室に呼べない学習塾のあり方としては、リモート対応というところに押し込まれた面もあろうかと思いますが、Z会のような通信教育でも、封筒に答案を入れて送り、朱入れされたものが数日後に戻ってくる、というようなあり方よりも、オンラインで対応してくれるほうが、学習効果があることは目に見えており、通信環境の格差はあるものの、今後はオンライン教育というのは、進展こそすれ、逆行するようなことはまずないだろうと思われます。
さて、どういうわけか中一生の英語のタブレット授業を担当してきたわけですが、各自のプログラムで進めることもできるものがあり、かつて英語を特別に習っていたような子は、ずいぶん先のところまでやっているなど、感心します。ゆっくりの子は、もちろんノーマルなペースでよいのです。
この2020年度から小学校でも英語が正式教科となり、すでに2年前から先行実施が始まっていますから、いまの中一生は小学校でそこそこちゃんと英語は学んでいることになります。しかも従来の、読むための英語というような時代ではもはやなく、外国の政治家やビジネスパーソンと、対等に張り合えるようなディベートや交渉の能力を高めようとするような意図がありありと見え、じっくり理解というよりは、その場でコミュニケーションができ、主張ができるようにという方向性をはっきりと出しています。
生徒たちは、タブレット操作には、基本的に問題はありません。問題があったのは、自分のパスワードを忘れるなどのことが多く、その対応が一番面倒だったというくらいです。そして、英語の問題が次々と出されるのを黙々と、それなりに楽しそうにやっています。プログラムも、間違えたら特定の場所に戻すなど、AI的な対応が用意され、いま考えられる限りの善処はしているように見えますし、実際やってみた上で出てきた問題を踏まえて、これからも改善されていくことでしょう。
そして、珍しくあるとき、まとめのテストを「紙」で行いました。この環境では、生徒にプリントを「後にまわしてください」ということができないため、つねに一人ひとりに配り歩くということに面倒さを覚え、できるなら紙は使わないようにしているのですが、しかしやはりどこかで、と思い独自に実施してみたのです。
すると、驚きました。1学期の終わりにおいて、be動詞による基本文を組み立てることができないのです。成績は中より上、平均以上の得点が常に取れるであろうメンバーです。
昔ながらの、手で書く作業というのには、やはり何か理由があったのだろうと思います。とくに語学は、声に出していくこともどうしても必要ですから、黙々とタブレットに向かっていればよい、というように思い込まないで、地道な手作業も軽視しないで取り組んでもらいたいと思った次第です。もちろん私は、プログラムによる効率的な学習というものは、よい利用法がきっとあるのだろうということも期待しています。聖書だって、ネット公開されている資料や原語とその解説に、どれだけ助けられているか知れませんから。