【聖書の基本】墓

2020年2月23日

古代の遺跡からはしばしば墓が見出されます。そう言えばエジプトのピラミッドもその系統なんでしょうか。聖書でも、アブラハムが、亡くなった妻のサラを葬るために墓を買い取った話や、後の王たちもそれなりに葬られたことがいちいち書いてあって、関心の深さが感じられます。
 
古代イスラエルでは、岩をくりぬいた横穴式の墓が一般的でした。中は広い部屋のようになり、普通棺はなく、台の上に遺体が置かれます。イエスの時代のころには、しばらくしてから骨だけを集めて再び埋葬するようになりました。乾燥した気候のもとで、そういうふうになるのです。石櫃(せきひつ)に集められた形で埋葬すると、場所をとりにくくなります。
 
その入口は大きな石を転がして塞いでおくようになっていました。そのため、イエスの復活の場面では、その大きな石を動かせないのに来ちゃったけどどうしよう、というような女たちの言葉が見られますし、地震の揺れで石が転がったと記された上、その石の上に天使と思しき者が座って語りかけたといった記事もあるわけです。
 
オリーブ山という、イエスが最後の夜に逮捕された、いつも祈っていた場所があります。エルサレムの東にあるそうですが、ユダヤ人はここに多く自分の墓地を確保しようとします。ゼカリヤ書に次のように書かれているからです。「その日」というのは、主の審きの時、終わりの日のことです。
 
その日、主は御足をもって
エルサレムの東にある
オリーブ山の上に立たれる。
オリーブ山は東と西に半分に裂け
非常に大きな谷ができる。
山の半分は北に退き、半分は南に退く。(ゼカリヤ14:4)
 
この終わりの時に主と共にいたいという願いが、そのようにさせるようなのです。
 
イエスが十字架で死んだとき、そうした死刑囚の遺体は普通、ごみ捨て場のようなところに捨てられるだけだったのですが、アリマタヤのヨセフという人物が突然現れて、自分のためにこしらえた墓を提供すると言ってイエスの遺体を引き取ります。この人物は、メシアの現れる(神の国が来る)のを待ち望んでいたというのです。この働きがあったからこそ、イエスが復活したという証言がなされうることとなりました。



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