夏至 (中学受験理科)
2017年6月21日
今日は夏至。これは小中学生あたりに、理科または古文の常識などで解説する定番の項目です。一年の中で最も昼の長さが長い日。
そもそも「昼」と「夜」の長さの合計が24時間であるというところから、説明をしなければなりません。「朝」はどうなったのか、子どもたちは不安だからです。
しかし春分秋分とて、昼と夜の長さが等しい日ではありません。「日の出」「日の入り」が、太陽の中心を地平線下の時にカウントするので、春分秋分には昼の時間のほうが長いのです。
さて、夏至の日には、太陽の南中高度(最も高い位置の真南に位置するときの太陽の高度。東経135度上になければ、これは正午ではない)は、90°−(その地の北緯)+23.4°で計算されます(もう少し正確には23度26分)。たとえば福岡市は(やや高い位置ですが)北緯33.4°として、ちょうど80°となります。沖縄の那覇であれば、北緯26.1°として、87.3°となります。殆ど地面と垂直に光がくるんですね。
太陽高度が高いほうが、単位面積あたりの日光の照射が多くなり、高いエネルギーを地面が受けるため、地面はより強く熱せられるのに、気温の上昇は時期的にこれより後になります。その理屈も、小学生は説明できるようになっています。これらは、理科の学習内容です。中学受験では、赤道上での太陽の日周運動や、北極での太陽の日周運動も問われます。日本にいる者からすれば、ユニークな動きをとりますので、関心をお持ちの方はぜひお考えください。
なお、日の出が一年の中で最も早いのは夏至の日ではなく、一週間ほど先立つころであり、日の足りが一年の中で最も遅いのは、夏至よりも一週間ほど後のころです。
あいにく日本では、この夏至のころは梅雨の最中となり、十分長い光を浴びることは難しいものですが、実は光があるからこそ、ものが見えているはずです。私たちは、つねにすでにそこにある光にさえ気づかないでいることが多いもの。光の中を歩んでいるすばらしさ。雨雲の向こうにある光の源を、心はいつでも見ることができると思うのです。