エリサベトをフィーチャーしよう
チア・シード
ルカ1:39-45
順番からすると、エリサベトの事件の方が先なのです。但し、天使はザカリアにまず現れており、エリサベト自身が天使に出会っているのではないようです。そこへいくとマリアは、ヨセフとは無関係に天使からメッセージを受けています。姻戚関係の故なのか、そのエリサベトの懐妊を聞いて、ナザレからマリアは駆けつけます。
マリアは山奥を訪ねました。急いで行ったというのですが、マリアはすでに懐妊していたものと思われます。支障はなかったのでしょうか。心配です。ザカリアの家は、ユダの領域にありました。エリサベトの胎内のヨハネが、主の母となるマリアの訪問を受けて躍ります。胎動自体は珍しくありませんが、ルカはそうして躍ったと解しています。
マリアが挨拶をしたときに、その声を聞いて胎の子が躍ったというのです。そう信じたというわけで、この二人の、どこか奇妙な出会いは、この時が決定的なのですが、この後マリアはしばらく滞在したようです。やがて生まれるヨハネが、マリアの胎内に芽生えたばかりであっただろうイエスと、ある意味で初めて出会ったことになります。
30年ほど後のこと、当初、人々にはこのヨハネの方が先に有名になっていました。イエスは、そのヨハネの権威を借りて登場したようなものでした。竹森満佐一牧師は、王が来る前にその宣伝をする先触れと称する役割を、キリスト者はするものだ、と教えました。自身が何の尊敬される性質をもっていなくてもよいし、誰もそれを期待はしないのです。
ヨハネの方は、この先触れをした第1号であったことになります。しかし、ヨハネは人々から尊敬され慕われたようです。エリサベトは、キリスト教でもさほど慕われる方向で扱われることはありませんでしたが、今後この一人の母親を、もっと大きく捉えてみてはどうでしょう。マリアにしても、この出会いの中で、賛歌を歌っているのですから。