神の名の下に権力を得る

チア・シード

創世記41:37-49   


ポティファルの妻の欲望の手から逃れたヨセフは、あらぬ嫌疑をかけられ、牢に入れられました。けれどもそこでも信頼を得たことで、少し時間はかかったものの、王の夢を解き明かすこととなりました。エジプト全土に豊作の年が7年間続いた後、7年間の大飢饉がやってくるという、神からの知らせなのだとの説明に、王はヨセフを絶賛します。
 
それだけのことで、ヨセフはエジプト第二の権力者となり、王の印章までも預かることとなります。「神があなたにこうしたことをすべて知らされた」とファラオはヨセフに言います。ヨセフは確かに、ファラオの夢の解き明かしに於いて、神の名を持ちだしています。夢見る者としてのヨセフの真骨頂は、神からのメッセージを受け取る力なのでした。
 
確かにヨセフは、神に向かい願い求め、祈りを献げるというようなふうではありません。でも、常に神がこれを知らせているということを知っていました。それが「夢」です。王は地上を統治する存在ですが、その王が、神を知り神の言葉を伝える者を、地上権力の第二の地位に置いたのです。世の権力者の次の位に、宗教的指導者がくるという図式です。
 
このような図式は、もしかすると後の時代のヨーロッパの政治に、なにか影響を与えたのではないかと思われます。「あなたの許しなしには、このエジプト全土で、誰も手足を上げることはできない」と、ファラオはヨセフに地上での権力を与えます。王が、宗教的指導者に特別な権威を与えます。宗教者が、無前提で権力を与え、認めるのです。
 
このヨセフは、エジプトの名誉ある名を与えられました。「ツァフェナト・パネア」と記録されますが、この名は二度とその名を創世記が記すことはありません。現地語の名を与えるということは、ダニエル書にもありました。ユダヤ人に、バビロンの名を与えたのですが、やはり一度書かれただけで、再び使われることはありませんでした。
 
ヨセフはまた「オンの祭司ポティ・フェラの娘アセナトを妻として与え」られるのですが、モーセがミデヤンの祭司エトロをしゅうととし、レウエルの娘ツィポラを妻とすることと比較できるでしょうか。30歳のヨセフは絶大な権力を手にしましたが、果たしてエジプトは空前絶後の豊作を迎えます。それは、その後の大飢饉を確約するものでもあったのです。


Takapan
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