ヨセフはどうなったのだ
チア・シード
創世記37:12-28
ヘブロンは、死海の南北中央辺りの西にあります。エルサレムの南です。ヨセフの兄たちは、その北数十キロメートル離れたシェケムで、羊の世話をしていました。遊牧民としてスケールの大きな話です。ヤコブはヨセフに、兄たちと羊の安否を確認してくるように命じました。何のため、何の意味があったのか、私にはよく分かりません。危険なのに。
ヤコブとしては、これがヨセフを失う最後の会話になるとは思っていなかったことでしょう。ヨセフはシェケムまで来ました。二、三日またはそれ以上かかったかもしれません。兄たちはすでにそこにいませんでしたが、親切な人が教えてくれました。そこからさらに北へ二十キロメートルの距離のある、ドタンの方へ行く話をしていたそうです。
ヨセフは、ついに兄たちを見つけます。兄たちは「夢見る者」が来ているぞとほくそ笑み、父親の目の届かないここでなら、ヨセフを殺しても分かるまい、という気を起こします。殺して穴の中にでも入れておけ。そして野の獣に殺されたことにすればいい。その相談の中、長子のルベンが、これを止めました。命を奪う必要はないではないか、と。
ただ、穴に投げこむところまでは止めることができませんでした。兄たちは、近づいてきたヨセフのご自慢の晴れ着を剥ぎ取って、ヨセフを穴に投げこみます。裸も同然だったことでしょう。ただ、ここから事態がよく分からなくなります。邦訳聖書のままに理解しますと、まずイシュマエル人の隊商を兄たちは見て、ヨセフを売ろうとユダが提案します。
ところがそのとき、ミデヤン人の商人たちがヨセフを見つけ、穴から出すと、別のイシュマエル人の隊商に、銀20枚で売ったとしています。そしてヨセフはエジプトへ連れて行かれるのです。この後ヨセフは、エジプトの親衛隊長ポティファルに売り渡されるのですが、ここで聖書は、そのとき売り渡したのは「あのミデヤン人たち」(37:36)と記すのです。
これでは、わけが分かりません。但し、この問題は39章で、恐らくこうだ、と思える解決を得ます。兄たちのその後は、ルベンが一人ヨセフをたぶん助けようと穴へ来るのですが、穴の中にヨセフはいませんでした。「この私はどうしたらいいのだ」(37:30)と嘆いた末、兄たちも来て、ヨセフが獣に殺されたという予定通りのストーリーに仕立てます。