王の姿を借りた信仰告白

チア・シード

ダニエル6:19-28   


バビロンへ連行されたイスラエル人の中に、ダニエルなどの少年がいて、才覚があったために重用されるに至ります。国はその後メディアに継がれ、今やダレイオス王の時代となっていました。ダニエルはこのとき62歳。国の大臣の最高位の立場にいたのですが、周囲の者たちの妬みからその奸計によって、ライオンの穴に投げこまれることとなりました。
 
戯画的に描かれてあるのかもしれませんが、王があまりにも軽率で無責任です。ダニエルの敵たちの思惑にまんまと引っかかってしまったのです。王はダニエルに、神が救うようにと声をかけましたが、内心すべてこれで終わりだと諦めていたのではないかと思います。ダニエルはライオンの穴の中に入れられました。どうなるかは誰の目にも明らかです。
 
王は、ここで断食をし、禁欲を果たしました。夜も眠れません。そして夜明けと共にダニエルの放り込まれた穴に近寄ります。「悲痛な声で叫んで」言うことには、「生ける神の僕ダニエルよ、お前がいつも仕えているお前の神は、ライオンからお前を救い出すことができたか」とのことですが、これは誰に向けて話していたつもりだったでしょうか。
 
すでにライオンに食いちぎられ、骨だけが残ったような死体へ向けてでしょうか。王自身、そのように頭の中では考えていたのかもしれません。「救い出すことができたか」の問いに、まさか返事があろうとは、普通なら考えなかっただろうと思います。しかし、すぐさまダニエルが応える声が聞こえました。王のそのときの表情を見たいものです。
 
御使いが「ライオンの口を塞いで」くれたのだ、とダニエルが言いました。それは「神の前に私が無実であることが認められた」ことを意味しました。ただ、気を付けなければならないことがあります。悲惨な死を迎えた者が、逆に有罪であった、などとは決めつけないことです。ダニエルのように救われなかった者は呪われた、と思い込まないことです。
 
王は大いに喜んだといいますが、果たして信仰に基づくものであったかどうかは分かりません。ダニエルを陥れた者たちが穴に投げられ殺されます。王は国の隅々にまで、文書を届けます。「この方こそ、生ける神」「この方は救い主、助け主」との言葉は、ダニエルの、そして聖書記者の信仰告白であったのでしょう。さらに今、読者自身の。


Takapan
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