たかぱん

 自分を信じること

びっくり聖書解釈

 成功するコツは「自分を信じること」。
 苦しいときには「自分を信じろ」。
 私たちは、しばしばそのように励まします。他人をも、そして、自分をも。その、自分を励まそうとしたときに、言いようもない空しさを感じるのは、私だけでしょうか。……いったい、自分の何を信じろというのか。自分のどこに、信じられるものがあるのか。たしかに、懸命に練習したかもしれない。努力や犠牲を重ねたかもしれない。でも、それが成功をもたらす絶対的な条件となるわけでないことは、分かっています。「だから信じるんだよ。だから希望を持つんだよ」と、教師は、落胆しがちな生徒に話しかけるでしょう。でも、当人が欲しいのは、観測ではなくて、事実です。調子に乗っているときではなく、落ち込んでいるときならなおさら、その希望がもてないのは仕方のないことです。
 もしも、誰もが似たようなこと――つまり、自分のことを信じることはできないものだ、などと感じているのならば、私たちは他人をその言葉で励ますこともできないでしょう。自分でも思えないことを、他人に思えと言っているのですから。
 自分の思想、自分の価値観、自分の判断基準、それらで世界をはかるとき、私たちは二つのうちのどちらかを選択するように迫られます。世界が狂っているのか、それとも、自分が狂っているのか。私たちは、自分を信じることなど、できるわけがない状態なのです。
 何を信頼するのか。何を信じるのか。自分を信じるというのは、分かりやすいようで、実は困難極まりないことなのでしょう。自分を信じるという束縛から解放されても、よいと思います。



心を尽くして主に信頼し、自分の分別には頼らず
常に主を覚えてあなたの道を歩け。
そうすれば
主はあなたの道筋をまっすぐにしてくださる。
(箴言3:5-6,新共同訳聖書-日本聖書協会)



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