◆野球は斜陽なのか

 野球人気に翳り、と、どの新聞も論評する。オリンピックから外れたことを挙げて、やはりそうだというものもある。直接関係のない事柄でも、似た現象を並べると、関係があるかのように感じさせる、その新聞の常々のやり方を見るような思いがする。
 はたして、野球人気がなくなってきているの本当だろうか。ここでは、プロ野球のことを言っている。
 たとえば、長年苦労して歌い続けていた歌手がいるとする。その歌手が好きで、ずっと応援してきたファンも多いのだが、爆発的なヒットとなることはなかった。それが、あるCMのタイアップ曲で、一曲大ヒットしたとしよう。
 たしかに、その曲は街のどこででも、しばらく聞かれた。しかし、CMのクールが終わり、その後次の新曲を出しはしたが、それはこの曲ほどにはヒットすることがなかった。もちろん、長年のファンは、CM云々に関係なく、この歌手を応援し続けている。
 はたして、この歌手は、人気が減った、と言えるのだろうか。
 むしろ、一時の人気が、いわばバブル的であったのではないだろうか。
 観客は、自分が応援するチームが勝つ事によって、自分が優越するかのような気分になりたいという、本能的な部分をもつ。
 野球を愛しているかどうかは不明で、はてはルールも相手チームの選手名もよく知らない場合も多い。勝ったときに、仲間と一緒に騒ぐ口実にしたいだけかもしれない。
 2005年より実数発表なので、前年の発表と比較はできないにしても、負けてもとにかく野球は阪神だ、と、血の中にまで染みついたような関西人は、この今の危機と呼ばれる時期に、観客を減らすことはない。もちろん、チームが勝っているせいもあろうが、少なくとも、前半で成績の悪い時期にも、観客は減らなかった。去年も甲子園のスタンドは満員だった。関西の人は、阪神を愛していると思う。(言葉の響きが悪いが、「阪神悪女説」というものがある。)
 バブル時期の頭数が人気のバロメーターだとしないのであれば、野球人気そのものが危機的状況にあるかどうかは分からない。野球機構のほうは、そういう危機感を抱いていて悪くないけれど。
 たとえば、広く知られる野球マンガやドラマが、今は高校野球などに限られているのは、プロ野球にとって、強い味方とはなっていない。実名登場などに、肖像権云々の問題が絡むのか、プロ野球のマンガが表に出ないのは惜しい。
 マンガ自体、かつてのように一極集中にはなりにくい状況ではあるから、あまり効果はないのかな。
 でも、からだの不自由な往年の選手を、まるで見世物にするみたいにして、人気を回復しようと目論むよりは、健全な気がする。
 ともかく、今応援しているファンは、熱いと思いますよ。
つぶやきの カ・ケ・ラ


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