◆天皇親子なかなかやる 2004年10月28日、秋の園遊会が行われた。その場で、画期的な発言があった。 米長邦雄といえば、将棋の永世棋聖たる人だが、同時に今は東京都教育委員でもある。将棋の話の後、天皇に向かって、「日本中の学校で国旗を掲げ、国歌を斉唱させることが仕事です」と話した。無邪気な暴言なのだが、奇しくもこれが絶妙な呼び水となった。 天皇はこう答えたのである。「やはり、強制になるということでないことが望ましいですね」 天皇が、国旗や国歌について発言するというのは、昔はどうか知らないが、私は聞いたことがない。いや、発言できないものだと思っていた。 慌てた宮内庁は、追ってこの発言の真意を尋ね、公表しなければならなくなった。その際、政治・政策の是非を述べたものではない、という解釈をつけた。 皇太子妃のことで、宮内庁によからぬ意見や圧力があったと批判した皇太子も、これまでにない発言をしたわけだが、その父親たる天皇もまた、やるではないか。 この天皇は、戦後にキリスト教思想を深く学んだ経験がある。若い人に聖書を伝えることには、大きな意味があるのだと勇気づけられる。 |