◆タタい?

 小中学生の答案だけではない。病院の掲示物でも、手書きの文字はもう、こちらの方が多数派になってきたようにさえ見える。
「タタい」
 それは「多い」ということが書かれているところで見られる文字である。どう見ても、カタカナの「タ」が2つ横に並んでいるようにしか見えない。
 縦に並べるのですよ、と小中学生には教える。しかし、ここ数年、奇妙に(それこそ)多くなってきた。自分の苗字に含まれている子が、つねに答案の名前の欄に「タタ」と書いているのを見て、これはただ事ではないと思うようになった。
 いったい何故「タタい」と書くのだろうか。
 一説には、横書きが主流になって、縦に重なるよりも横に重ねるほうが書きやすいからだという。だが、そんな合理的な説明で納得できるような現象ではないような気もする。縦書きでも「タタい」となっていることがあるからである。
 言葉は生き物であるゆえ、時代と共に変化するものであって、何が正しいなどということはできない、とも言われる。現代仮名遣いも、最初は誤りから始まったと言えるかもしれないのだ。また、意味が揺れ動いて誤用として定着してしまった言葉も挙げることができよう。
 だが、こうも数年の中で、漢字のデザインが全く(と言ってよいと思う)変わってしまうようなことが、あるものだろうか。
 もしかすると、あなたの書く文字も、「タタい」になっていないだろうか。
つぶやきの カ・ケ・ラ


つぶやきのカ・ケ・ラにもどります

たかぱんワイドのトップページにもどります