◆ハローキティは誰のため

 ハローキティは、今やバリエーション豊かである。元来のピンクを超えたシックな色調もあれば、地域の名産と合体した面白モノもある。オーソドックスなものでも、様々なグッズに付せられて、車にまでキティ仕様なるものが登場した。
 キャラクターグッズがこれほどまでに大人の世界に収まるのも珍しいと、日本人の幼児性ではないかと議論されたこともあった。
 そのキティちゃんのデザイナーは、今は三代目の、山口裕子さん。
 とはいえ、山口さんはキティちゃん誕生五年目ごろからの担当。つまり、ここ四半世紀は彼女のデザインで任されているということである。
 西日本新聞の2004年9月6日付けの「ひと」欄に、この人のことが紹介されていた。
 山口さんは、こんなことを口にしている。
「ブランドの財布が欲しくて援助交際していた女子高生に、そんなものやめてキティの財布を買ってもらいたかった」
 商売だからといって、金だけがすべてではないだろう。個人的なやり甲斐や達成感といったものもある。だが、それはプライベートな楽しみに留まらなかった。もっとパブリックな願いがこめられていた。
 ちょっと、キティちゃんを見る眼差しが変わってくるような気がした。
つぶやきの カ・ケ・ラ


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