◆怪獣と戦うことはいけないか

 昔のウルトラマンは、怪獣をただやっつけていた。最近は、怪獣を宇宙に返すなどのように、怪獣の立場も慮っている部分がある。むしろ地球環境を破壊しているのは人間だ、という視点も伴って。
 では、昔はただ、敵をやっつけるだけの、無邪気な正義感でしかなく、幼稚だったのだろうか。
 私は少し違うと思う。
 敵に立ち向かうウルトラマンに自分を重ねて、子どもたちは、自分にたちはだかる困難や、時に社会悪、もしかすると自分の中にある悪に対する戦いを理解することができた。
 誰か近くにいる子を怪獣に見立てていじめることが、ないわけではなかったが、それが正義でないことも、皆分かっていた。安易に自分を正義に置くのは危険なことだが、いじめが正義でないという了解があったように思う。
 その時代に受け容れられたメディアには、それなりの反映がある。今の基準で単純に非難することは避けたい。むしろ、その時代にはあって、今薄れているものは何か、考えてみるのも一つの途だろうと思っている。
つぶやきの カ・ケ・ラ


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