◆宗教は一般常識に沿わない 敢えて名指しはしない。ある素材サイトの「利用規定」にこう書いてあるのを見つけた。「アダルト(15禁、18禁等の制限ありサイトを含む)・宗教・言論活動等、一般常識に沿わないサイト、でのご使用は、ご遠慮ください」 宗教は、一般常識に沿わないそうだ。 言わんとしているところは理解できないこともないが、十把一絡げに、一般常識から外れるというふうに宗教を断定しているのは、あまりにも、一般常識から外れている。 そしてこのサイト、「バレンタインデー」という壁紙を作成して紹介している。これは宗教とは違うぞというかもしれないが、その綴りに「St.」が入っている。 いや、それなら見逃したとしても、「Merry Christmas」もあるのはどうなのか。おめでたいことに、「MERRY X'mas!」という誤りまで公開してしまっている。 リースもベルも、ツリーもサンタクロースも、描かれているのだから、この人は立派に宗教を題材にしていながら、宗教は一般常識に沿わない、と断定しているのである。 どうしてこんなことが平然と行われているのか。私も、かつては宗教の外に身をおいて勝手に生きていた経歴をもつ。その意味で、これがたんなる無知と呼んで済ませられるようなものでもないように感じる。ほんとうに、見えていないのだ。 それにしても、「言論活動」もまた、一般常識に沿わないというのだから、自分で勝手に思い描くこの人の「常識」というのは、いったい何であるのか、やっぱり理解しがたいものがある。また別に詳しく述べようと思うが、自分をこそ「常識」だと定める考え方が、世間に蔓延しているのを私は強く感じる。その一つの現れであるとも言えるだろう。 ちなみに、この言葉を使っているサイトは、複数ある。利用規定としてよそで見た誰かの説明をそのまま拝借して使い回している可能性が高いと思うのだが、それは一般常識に沿っているのであろうか。 |