◆みんな、げんき?

「みんな、げんき?」「げんき、げんき! じゃあ、いってみようか〜」
 幼児番組で、健康そうなお兄さんやお姉さんが、子どもたちに向かって語りかける。
 それが悪いということはない。よし、がんばるぞ、と子どもが思って、体を動かしているうちに元気になっていくという効果は、きっとあるだろう。
 でも、何もかも「元気」だけでよいのかどうか。
 病気の子もいる。辛い立場にいる子もいる。それらの子は、子ども番組はご遠慮下さい、ということを宴曲に提示しているのだろうか。それとも、そんな辛いことを気にするのは間違いだから、とにかくみんなで明るく歌えばいいよ、というお誘いなのだろうか。
 いちいち、「つらい人もいるよね」と気を遣えという意味ではない。明るい番組がいけない、などと言うつもりもない。
 もしかすると、「元気」でなければいけない、という強迫観念のようなものを抱かせることはないだろうか、元気で明るくなければ子ども番組を見ることはできない、というふうな会員制のようなものなのか、それとも、何もかも忘れてただ元気教を信じればいい、という啓示なのか……。
 いやはや、こんな「ひねた」意地悪な見方をすることはない。素直に、子どもは元気が一番、なんてニコニコしていればいいのだろう。
 ただ、世のいわゆる「バラエティ番組」のコンセプトあるいはその効果も、この「元気?」と同じように見えて仕方がないところが、ちょっぴり薄気味悪いように感じられるのが、私の気になるところであるわけだ。
つぶやきの カ・ケ・ラ


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