情報漏洩
2005年12月17日

 出てくる、出てくる。
 今日も、塾のデータが、ウィルス感染によりネットに出回ったという大きなニュース。ハローワークやJR、ファストフード店などの失態も、重ねて掲載されていました。タイトルは「情報流出 危ういIT化」。
 甘いのは、こうした表に出るものばかりではありません。
 
 そもそも「秘密は守ります」という約束は、情報保護法云々以前からも、常識でした。さらに、ネットでも「情報は保護されています」とちゃんと書かれています。
 しかし、それは本当に守られているのか、疑問に思われたことはありませんか。
 一事で万事を判断してはなりません。けれども、一事があるのは事実だと伝える必要はあるかと思います。私は、福岡県で情報漏洩がある事実を知っているのです。
 それは「県政メール」といい、いろいろな意見を募っているところです。ここに書かれた情報が、確かに漏洩していたのです。
 
 
 そのサイトには、こう記されています。
 
 
 お寄せいただいたご提案等が、福岡県ではなく、国や市町村等の所管事項に関するものであると判断される場合は、福岡県から担当の官庁等に転送してもよろしいですか。
      希望する 希望しない (どちらかを選んでください。)
 
  個人情報については、外部に漏洩することのないよう適正に管理します
 
 
 この場合、「希望しない」を選んだものが、当事者(この相談の苦情相手である機関)に筒抜けである確実な事例が、あったのです。その相手は、県に相談するなどけしからん、と一切の対話を拒絶するに至りました。
 もしかすると、ネットからの外部侵入者がいて、県政メールの情報を盗んだ、あるいは、県政メールがウィルス感染などにより、情報流出があった、という可能性もあります。県政メールのほうから、「苦情相手の区域が分からないので教えてほしい」というメールが、その後にわざわざ発信されているのです。それで念のため、情報が漏れている原因を調査して欲しい、という要望が県政メールに届けられましたが、何の返答もありませんでした。万一、漏洩を自らやっておいて、「区域が分からない」などととぼけているのでしたら、悪質であること限りなしです。
 行政機関の情報に対する倫理というのは、このようなものなのでしょう。少なくとも、福岡県の県政メールというところは、そうなのです。素直に、情報が漏洩するはずがない、という前提でいろいろ書き込むと、大変なことになりかねません。
 
 
 なお、こうした類の行政関係の回答には、共通した著しい特徴があることが分かりました。
 一度目は、ほとんど理解不能な回答がくるのです。およそ、文章を読んでいないかのように、論点を外した回答がきます。
 その理由として二つの方向が考えられます。読解力が不足しているか、または、読解力がありすぎてとぼけるか、のどちらかです。実際のところ、おそらく後者でしょう。いきなりポイントに触れて妙な責任をかぶりたくないのでしょう。
 そして、行政同士は互いに庇い合い、他の領域に不利になるようなことを決して口にしません。行政内部で連絡を密にし、報告しておくことで、互いによきようにはからうのです。
 そのためには、一般の個人情報の秘密を守るということは、二の次にされます。それがたとえ偽造や隠蔽であっても。
 公務の一部には、たしかにそういう構造があることを、民間人は心得ておかなければなりません。ですからまた、民間の偽造や隠蔽を目の当たりにしても、私たちは何も驚くことはないのです。


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