『図形問題を突破せよ!!』
正木孝昌監修
学校図書
\1260
2005.2
すでにご紹介した「算数を忘れた国の冒険」シリーズの、延長に当たるもの。全編マンガで算数を、となると、レベルの低い面白ブック止まり、と思われるかもしれない。
しかし、今回の図形は、実に難しい。
サッと読んだだけで答えがすらすら出てくる人は、たぶん進学塾の算数の先生であるか、それになれるか、であろう。
中学受験の算数の図形のエッセンスが、ふんだんに盛り込まれているのだ。
もちろん、マンガという制約ゆえ、ページ数の割には情報が少ない。しかし、これから四谷大塚シリーズを始めようという上級生が、こうした楽しいマンガで算数の図形のステップを踏んでおけば、スムーズな発進ができることは間違いない。
いやはや、驚きである。
それらの問題が、実に楽しいのであるから。
中学受験なるものも、こうした考える楽しさを身に着けるためのものである、とまで言えば、肩をもちすぎであろうか。しかし、中学の先生はたぶん、そんな気持ちに違いないと私は思うのだが……。