本

『動物園をまるごと楽しむ!』

ホンとの本

『動物園をまるごと楽しむ!』
今泉忠明・石和田研二
新風舎
\1680
2007.3

 動物園には、よく行くようになった。本来、行くにはあまり便利な場所にはなく、福岡市動物園だと鉄道では行きにくいため、足が遠のいていたものだったが、一番下の子が動物好きで、絆されるようにして行くようになった。しかも、サポーター登録すると年間フリーパスとなり、何度行ってもタダであることから、行かねば損みたいな気持ちにもなってくる。ただ、それは損得勘定からではないような気がする。サポーターというのは名ばかりではなく、本当に、動物たちはどうしているんだろう、と気になるのだ。動物たちのことを、本当に気にかけるようになっていく。年に三回くらいは行くかもしれない、という人は、登録したほうかお得であるし、どんどん宣伝したい。
 さて、この本は、動物園についての、まとまった本として実に親切丁寧な本である。動物園の人の苦労が伝わってくるし、動物についての知識も身に付いてくる。いや、たしかに動物の苦労が伝わってくる、と言った方が適切なのかもしれない。
 キリンを運ぶのは並大抵ではないから、運ぶとすれば小さいうちに済ませてしまうとか、サルは天井のある檻のほうが運動不足になりにくいとか、シマウマは白地に黒であるとか、動物たちについて私たちの知らないことがたくさん記されているので、厭きることがない。
 たくさんの動物について、紹介がしてある。だが、それが一覧表にまとめたような、モノ扱いをした感じが全くない。それぞれの動物が、恰も個々の人格をもった人間であるかのように、語られている。これが、この本の最も特徴的なことであるように、私は伝えたい。
 私たちは、自分本位では、何かを愛することはできないのだ。




Takapan
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