本

『大雑学1 数字で知る人体』

ホンとの本

『大雑学1 数字で知る人体』
日本雑学研究会
毎日新聞社
\1050
2004.10

 雑学というと、どうしても浅薄な印象を与える。もしかすると、著者はそれでもいいとお考えかもしれない。だが、これは決してただのパッチワークでもないし、知らなくても構わないといった内容ではないような気もする。
 見開き2頁の、右に説明文を、左にシンプルな図解が施されている。こうして、120の疑問点が次々と解決されていく。
 数字で捉えるというのは、人体を何らかの観点からの量として捉えるということである。その評定を下すようなつもりはさらさらない。だが、自分自身のからだについて、何ら知るところがないというのも悔しく、またつまらないものだ。
 1分間で血液が人体を駆けめぐるとか、骨は206個ほど私たちがもっているとか、興味深い話題が目白押しである。
 本の著者は、こうした雑学を取り扱うことに慣れている。
 こと自分自身についての知識であるはずなのに、どうして私たちはこうも自分のことについて無知であり続けることができるのだろうか。
 遺伝子についての疑問から、脳・目や鼻などと本は深まってゆく。必ずしも順番通りに本の頁をめくる必要もない。
 不可思議なるかな、人体。自分自身のことを認識することは不可能だとこの200年の間に多数意見になってきたのだが、少し前までは、そんなことはなかった。それは雑学と呼ぶことしかできないかもしれないが、私たちが何かをいざ考え始めるという場合、こうした雑学があれば、ない場合と比べものにならないくらいの収穫があると考えることができる。
 極端に専門的ではなく、私たち自身のことを知ろうという素朴なテーマが検討されてゆく。私にとり、その簡潔な説明は頭にも入りやすく、そして実に有意義な時間をもてたように思う。




Takapan
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