本

『もしイヌに風船をつないだら…?』

ホンとの本

『もしイヌに風船をつないだら…?』
マーシャル・ブレインとハウ・スタッフ・ワークス著
伊藤伸子訳
化学同人
\1575
2005.8

 心惹かれるタイトルであり、表紙である。副題は「好奇心大満足!! 科学が答える75の疑問」ときた。つまり、真面目な解答なのである。おふざけではない。
 だが、一度開くと、引きこまれる。
 もし飛行機の中で銃を撃ったらどうなる?
 もし今、大ピラミッドを造ることしたらどうなる? 費用は?
 もしガソリンタンクに砂糖を入れたらどうなる?
 もし雷に打たれたらどうなる?
 もしついうっかり、指と指や唇を瞬間協力接着剤でくっつけてしまったらどうなる?
 もしエレベーターに乗っているとき、ケーブルが故障したらどうなる?
 もしおなかいっぱい食事をしたあと、すぐ泳ぎに行ったらどうなる?
 興味は尽きない。どの疑問も、どうなるのだろう、とワクワクして読んでしまう。もちろん解答は、冷たい結論では終わらない。こうしたサバイバルから逃れるための知恵や、そもそも何故そうなるかの科学的原理の説明から、至れり尽くせりである。だから楽しい。
 実際にそういうことが起こることがないような疑問もある。だが、起こりうることも多々あるものだ。私たちの知的好奇心をくすぐるばかりでなく、現実の知恵として十分機能するものが多い。
 舞台がアメリカであるから、経済的あるいは法律的な疑問については、日本では当てはまらないケースもあるだろう。しかし、それはそれで楽しめる。
 私がこの本を図書館で手に取ったとき、ぱらぱらとめくったら次の疑問が目に付いた。「もし指の関節を四六時中、ポキポキ鳴らしていたらどうなる?」
 私は鳴らしている。そして、鳴らしたらどうなるかについて、まともに説明してある本に、これまで出会ったことがなかった。ネットにはちらほらあるが、ある病院の意見の焼き直しのブログばかりで、常識的な意見で統一されている。ところがこのアメリカの本には、それとは少しばかり違う研究結果がちゃんと載せられていた。
 うちの子どもたちも、つい開いてはまっていく本であった。




Takapan
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