『Twitter発 写真が好きだ。』
芸術新聞社編
芸術新聞社
/\2200+
2022.2.
B5サイズ、100頁余り。美しい本である。全編写真が中心であり、眺めているだけで気持ちがいい。
ここに集められたのは、Twitterに限定して、そこで話題を集めている16名の人々の写真と、その人の紹介である。人気のある方々の、選び抜いた作品であることだろう。見映えがいいなどというよりも、これがどうしてプロでないのか、というほどクオリティが高い。
コラムのようにして、こうした写真についての文章が幾つか載せられているが、その最初において、このSNSの時代に、誰もが気軽に作品を発表できるようになったことが指摘されている。だからこそ、優れた才能がこのように人目につくことができるようになったのである。
編集部から、16人それぞれに、同じ質問を投げかけている。愛用のカメラはなかなか良いものばかりであるが、それよりも、投稿のきっかけや、写真のテーマとなると、一読者としての私たちも、もし写真を同じように投稿しようと思うならば、大いに参考になるかもしれない。興味深いのは、影響を受けたものである。ここに、映画やアニメという答えが非常に多いのである。特にアニメが目立ち、そこに、ジブリという定番も出てくるのは分かるが、やはりいまの時代、新海誠監督の名前がたくさん現れるのが印象的である。確かに、その映画の、画に対するこだわりというか、熱の入れようは只事ではない。美しい映像が、人々の心を掴むのもよく分かる。ただ、写真投稿のために、それほど大きな影響を与えている、ということは、このように一人ひとりに尋ねてみなければ分からない。
質問の最後には、「あなたにとって写真とは?」というものがある。こればかりを通して眺めるだけでも、本書に出会う意味があるだろう。これはその一人ひとりの人生である、などというと大袈裟かもしれないが、それぞれの感性が豊かに現れているように思う。つまり、あまり深い「思索」や「思想」があって写真を見ているわけではないようなのだ。下手な理屈は要らない。ただ自分がしたいことを素直に表現してゆく。それが自分である、あるいはその中に自分を探してゆく、そうした一つの道として、写真がそこにあるようにも見えてくるのだ。
だがそれにしても、写真は誰にでも気軽に撮れるわけだから、よい時代になったと言える。油絵を描くとなると、それなりの覚悟を以て道具を揃え、時間と場所を用意しなければならない。しかし写真は、カメラさえ持ち歩いていれば、いつでもどこでも撮ることができる。スマホ写真も性能が上がっていることを考えると、写真は全く日常的なものとなっていると言える。後は、多少の知識の導入と、とにかく経験である。また、その根柢にあるべきものは、やはり感性であろう。
ライターたちのコラムの中にも、アニメの影響のことが書かれていたが、「写真はなぜ四角いのか」というところは、写真の原点についても考えさせてくれ、興味深かった。
とはいえ、こうした文字は、本全体からするとさほど多いものではない。どうぞたっぷりと、写真を味わえばいい。だが、SNSを見れば、こうした作品の数々に触れることもできるし、美しいと思われた人をフォローして、日々楽しみにしていればよいだろう。となると、本書のエッセンスは、もしかするとこれらの質問の答えと、コラムの方にあるのかもしれない。良い本である。

た
か
ぱ
ん
ワ
イ
ド