本

『学校トラウマと子どもの心のケア』

ホンとの本

『学校トラウマと子どもの心のケア』
藤森和美編著
誠信書房
\2730/2005.9

 実践編と謳われており、「学校教育・養護教諭・スクールカウンセラーのために」と表紙に記されている。
 制度的にも切り込んであり、ただの観念的な話ではないのが、たしかに実践的である。そして、より普遍的なマニュアルを模索しようとしていることも、大切なことだ。感情論や人格的なことで、精神的なケアの部分が語られるようになると、現実的な活用を阻むようなことになりかねない。たしかに人はそれぞれ違うけれど、どのような姿勢で臨むべきなのかは、もっと共通理解化していかなければならないと思う。
 もちろん、それが機械的、事務的になるのであれば、もはや論外である。この本の取り組む方向には、そうした心配もいらないほどだが、よりハートを重視するための、取り決めであるという理解が大前提になければならない。
 この本を流れているものは、そうした温かさである。冷静に見るならば、実に堅い内容の本であるにも拘わらず、実例などを通して見られる、子どもたちへの対処の姿は、ほっと安心させうるものがあるのである。
 決して通俗的ではないと言えるだろうが、それを厭わない方には、お勧めしたいものである。私たちが子どもにどう向き合っていくべきであるかを、感性的にというよりも、実際的機能的に、たっぷりと紹介した本なのである。
 私は思うが、キリスト教会においても、こうした機能的なものが、準備されてしかるべきではないだろうか。ケアをするという姿勢で、どのように接すればいいのか、大きなヒントがあちこちに隠されているような気がする。




Takapan
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