本

『ティー&コーヒー大図鑑』

ホンとの本

『ティー&コーヒー大図鑑』
監修=辻調理師専門学校
講談社
\3800
2005.11

 これはなんとも大きな百科事典である。家に置いておくべきであるが、買うには決意が要る。いや、ちびちび読んでいるだけで、面白い。
 地方新聞のコラムに、若者が緑茶を飲まないということが書いてあった。さもありなん。ネットカフェのような場所で緑茶に触れて興味をもったりするという。それでも触れるだけ、いい。緑茶は、コーヒーや紅茶よりよほどカフェインが多く、子どもががぶ飲みするには適さない。しかし、近年お茶はペットボトルで買うものなどとも思っている子が多い中で、家庭で教えたい味ではある。
 緑茶を飲むことで、風邪対策としている我が家である。それでも、子どもは殆ど飲んでいない。
 それはさておき、この本は、お茶の知識の宝庫である。コーヒー愛飲家の私としては、コーヒーの入れ方について、もっともっと詳しい内容を期待したが、それほどでもなかった。が、改めてその入れ方を試みると、たしかに美味しいではないか。私はマンデリンしか飲まないが、マンデリンの豆の良さが、記されている入れ方だと、十分出せるのだ。
 ややこしい解説はないが、その簡単な記述だけで、結果が大きく違う。ここが、調理師専門学校監修というプロの技なのだ、と感じた。これは、勉強を教える者として、見習いたい極意である。
 紅茶や日本茶、そして中国茶についても、魅力的な説明が所狭しと並べられている。だが、冗舌ではない。昨日私たちが購入した「さんぴん茶」についてなど、書かれていない。しかし、センスある写真は雑誌以上であるし、歴史や外国のありさまなど蘊蓄も広く集められている。私たちが素朴に「なぜ?」と思うようなことが、ちゃんと言及され、図解されており、事細かく写真で比較されているのも魅力である。
 これは一冊欲しくなってきたぞ。




Takapan
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