本

『自分でやる 体力回復トレーニング』

ホンとの本

『自分でやる 体力回復トレーニング』
小山郁
山海堂
\1,600
2003.10

 パソコン活動をするとき、床に座布団を置いて打っていると、どうにも肩が凝って困る。これが椅子なら、それほどでもない。だが、肩を回すとか両手を上げるとかして、少しでもからだをほぐすことを意識していないと、後で疲労や痛みが襲ってくる。
 年はとりたくない、などと呟いても仕方がない。精神的に、それを乗り越えるのも一案だが、ここはトレーナーよろしく、科学的実際的に、疲労や怪我から逃れられるように手を打つ知恵が必要であろう。
 スポーツで鍛えればからだによいというのは、もはや昔の話である。負荷をかけすぎてはいけないことは、今やトレーニングの常識となっている。それでは具体的にどうすれぱいいのか、という点について、この本は細かく答えてくれる。この本の終わりには、一連のトレーニング方法が丁寧に図解のうえ記されている。だが、私は前半の、痛みがどのようなメカニズムで起こるのかの説明や、どの程度の運動をすれば血液がさらさらになるのかの説明に、より大きな魅力を感じた。それは科学的な根拠に基づき、しかも具体的なのだ。よい食事の勧めもあるし、日々の運動をどのようにすればよいかの分かりやすい説明も施されている。
 骨の構造はもちろん、湿布の貼り方や肩こりの英訳の話まで、話題は尽きない。健康に関心がある人は、興味本位の妙な食べ物の紹介に喜ぶよりも、こうした日常の中でからだを作っていくための知恵のほうに、関心をシフトすべきである。
 分かりやすい、よい本だった。実にためになった。




Takapan
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