本

『食べものの大常識』

ホンとの本

『食べものの大常識』
岡田哲監修
ポプラ社
\924
2006.9

 子ども向けの本であるが、いつも言うように、大人が見ないのはもったいない。
 身近な食材や食事の歴史や由来、背景といったものを、簡潔に楽しく分かりやすく伝えてくれるからである。  小麦や米と人類のつきあいから始まり、食事の必要性を科学的データから説き明かすことも行われ、日本における食べ物の変遷をたどった後、世界各国の料理の特色とその背景を示してくれる。
 自国の伝統や文化というものの実情を伝え、さらに世界の様々な文化を知る機会となる本である。なんと壮大な世界を宿していることだろう。
 ほとんどの漢字に振り仮名が打ってあるからといって、軽んじてはならない。この本にあることくらいを知っていれば、なんと豊かな人生を送ることができるか、と思う。また、世界の人々のことを分かり合える、真に国際理解ができる堅い一歩となることができると信じる。
 寿司の歴史や、お好み焼きの発祥など、とにかくわくわくする読み物が多かった。
 これが「大常識」であるならば、私は如何に常識に欠けていた人間だったことだろう。とくに世界の食文化については、知っているようで知らないことが目白押しであった。
 さらにこの本の優れているところは、巻末にある。索引があるのだ。何か気になってあの料理、と思ったとき、索引から調べることができる。簡単なようで、索引を備えた本というのが、案外少ない。愛蔵してまた開いて欲しい本であるならば、索引くらいは付けなければならないというのが、私の持説である。
 食するとは、生きること。命に直結する営みに、あまりにも関心が低いようだ。やたら値段の高い食材についての蘊蓄は多いかもしれないが、毎日食べている素朴な食事の材料については、無知であってよいはずがない。
 それは、生きること、私たちの生き方そのものにつながってくるのである。




Takapan
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