本

『旬の食材カレンダー』

ホンとの本

『旬の食材カレンダー』
まめこ
サンクチュアリ出版
\1260
2011.9.

 食材はやはり旬がいい。良く言われることだが、そこに徹して取材して、体験をして、紹介する。
 それも、殆ど全編マンガである。ちょっとギャグ調の、嫌味のないタッチ。むしろほのぼのとしている、と言えばよいだろうか。
 その中で、食材の特徴や選ぶ基準などを示していく。確かに、そこにイラストがあるというのはいい。いくら百の言葉で示そうと、ひとつのイラストの伝える能力にはかなわないことがある。適宜写真も取り入れて実景も示され、とにかく食材の良さについて伝えようという制作者たちの意気込みが感じられる。なぜそういうことになるのか、の解説も見事だし、特に私はお茶の製法の一覧図には舌を巻いた。こうして説明されると、なんと分かりやすいことか。数学もこうして系統だって説明すれば分かりやすいのではないかと常々考えているため、非常に参考になった。
 見分け方や製法過程など、あらゆる背景がここに載せられている。マンガの面白みも加わって、頭にずんずん入ってくる印象がある。また、随所に実際の料理のレシピがあるのもいい。
 よく作られた本だ。
 食糧生産に携わる人の苦労にも触れられて、戴く側の感謝の心も育まれる。
 なお、タイトルにある「カレンダー」とは、このストーリーが四月から始まり三月まで、春夏秋冬を1ヶ月毎に巡りながら、その時々の美味しさを体験していくように構成されている。
 味のある本である。軽いようで、内容は深い。お試しあれ。




Takapan
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