本

『好かれる技術』

ホンとの本

『好かれる技術』
西松眞子
インデックス・コミュニケーションズ社
\1575
2005.7

 たとえばアメリカ大統領などは、どうすれば印象がよくなるか、スマイルの方法一つのためにも、専門家の指導を受けている、といった話は、十分知れ渡っている。
 ああ、それは特別な職業の人だけのことだ。それが凡人の発想だが、この本は、それを覆してしまった。専門家が、タネをばらしちゃったのである。
 イメージコンサルタントというのだそうだ。企業などの依頼を受けて、接客の、単なるマナーではなく、ちょっとした仕草そのものといったレベルでの、好感度増大の隠れた技術である。ボディランゲージの技術、とも言える。
 たしかに、それは客や商談者と接する職業であれば、誰しもが感じることである。しかも、しばしばそれは、否定的な人間に出会ったときに、そう思う。「この人、感じ悪い」と。
 うかうかしてはおれない。私も沢山の子どもたちを前にしている。あるいは、そういうときに、一概に感じが悪いと思われていないからこそ、この仕事を続けていられるのかもしれない。
 どんな仕草が好かれるのか? それを私がここでばらしてしまっては、著者に申し訳ない。私の印象では、ごく当たり前のことばかりが書かれているかのように見える。だが、当たり前のことというものは、私たちは意識していない。それを意識化するだけでも、ずいぶん違うものだろう。もちろん、知らなかった、と膝を打つような秘密にも、あちこちで出会うことができる。
 全体的に、イラストがきれいで分かりやすい。説明も、見事だ。
 だから、やっぱり思ってしまう。こんなに秘密を本にしちゃって、いいのだろうか、と。




Takapan
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