本

『お客のすごい集め方』

ホンとの本

『お客のすごい集め方』
阪尾圭司
ダイヤモンド社
\1500
2006.11

 レスアドとも略して呼ばれる、応答を求めるための広告について、そのノウハウを語った本である。その技術を有しているというのは尊敬に値するが、これだけの本に仕立て上げているビジネス書といったものも、結局一言でまとめられるほどのものを、一冊に膨らませているに過ぎないと言える。
 いやいや、それはけなしているのではない。ポイントが限られているため、極めて分かりやすく、それを心に構えて、新しいデザインに挑むことができるのである。これは役立つのである。
 もちろん、正式なアドバイザーとして味方してくれるわけではないので、読者としての自分が、内容を読みこなして、自分の出したい広告のために、素人的にそれを実現していかなければならないのである。
 そのノウハウをここでまとめてしまうのは惜しいが、要するに、「結果」「実証」「信頼」「安心」の4つの要素を含んでいる形で、最初の広告は展開されるべきである、というのである。
 その他、創作実例と共に、きわめて分かりやすい形で説明が展開されていくので、実に読みやすく、応用しやすい構成となっている。が、それも、私がある程度広告といったものに関心を持ち、実践してきたからであるかもしれない。改めて確信をもって、これです、と言って来られるとすごい自信だなあと感心するが、現実のレスポンスの経験はものをいうのであって、広告主や製作者の好みで事は完成されるのではない。
 教会でこしらえる印刷物についても、このような学びがどうしても必要である。四半世紀前の、ワープロが出始めた頃とは違うのであるから、活字であれば誰もが飛びついてくるような時代ではない。かといって、あまりにもイメージ戦略でもって、意味不明な写真チラシのために高額をはたくほどの余裕もない。何を伝えるか、誰に読んでほしいか、そんなコンセプトを立てた後に、こうした本で学んだことを活かして、伝えていきたいものである。もちろん、教会に来て戴くのは「お客」ではないにしても。




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