本

『世界の外遊び』

ホンとの本

『世界の外遊び』
こどもくらぶ編
今人舎
\1575
2004.5

 小学校でも教会学校でも、はたまた地域の子ども会でも、子どもを集めた後に何をするかは大問題である。多くの子どもたちの興味をひき、退屈させず、心を一つにまとめるという、およそ不可能なことを、どうしてもしなければならない必要に迫られる。
 昔は「レク」と言った。レクリエーションの略である。サークル活動でリーダーシップをとるために必要な技術が、この「レク」だった。
 だが今の子は、こうしたものに乗ってくるのだろうか。案外、テレビ番組を見ていると、昔の遊びが新鮮に見えて楽しいという雰囲気もある。少し前にCMで使われてちょっとしたブームになった遊びもある。そしてそれも、外国産であったために、この本には載せられている。「チェッ・チェッ・クレ」である。耳では「二酸化マンガン」と聞こえる箇所のある、あの踊りである。
 その他、ありとあらゆる国のあらゆる外遊びがここに分かり易く伝えられている。図もあり、説明もかなり分かり易い。どうやらこの会社、子どもと遊びについてのエキスパートらしく、出版しているのはどれも「あそびの教科書」のようである。説明がうまい。
 日本に伝わる遊びにも触れられている。と同時に、それと類似の外国の遊びも比較されるので面白い。これらの遊びを紹介された子どもたちは、おそらく初めて触れる遊びとなるだろうし、世界の子どもたちが遊んでいるのだから、面白くないはずがない。きっと心に残るだろう。そして、耳に聞いたその国について知りたいと思う気持ちも起こるだろう。心憎い紹介の本だと思う。各頁の下に、その国についての簡単な紹介がなされているではないか。
 見た目が薄手であるため、1500円が高価に思えないこともないが、中身を開くと、これが安いと思えて仕方がなくなる。そんなお買い得の一冊となりえる本である。




Takapan
ホンとの本にもどります たかぱんワイドのトップページにもどります