『気になる脂質 早わかり(第2版)』
川端輝江監修
女子栄養大学出版部
\1600+
2025.10.
2018年発行の第1版を改訂している。どこがどのように変わったのかは分からないが、全編カラーで写真で食品が示されており、大学の名に相応しい、優れた本となっている。
栄養全般についてデータを紹介する本があり、我が家にも少し古いながら常備している。いまやインターネットで調べれば最新のデータが簡単に分かるのではあるだろうが、比較対照のためには一覧できる本の魅力は減じない。しかもこれは、脂質に特化したデータである。本の大部分を占めるデータ欄には、各食品の脂質が、100gあたりでなく、実用的にそれ一個とか一尾とかいう単位でまとめられている。その内容は、まず脂肪酸として、飽和脂肪酸・一価不飽和脂肪酸・多価不飽和脂肪酸という区別を設けて数値が挙げられており、他に、n-3系とn-6系の数値が並んでいる。また、目立つように、EPAとDHAのグラム数も記されている。
項目は、油脂類・調味料、種実、魚介類、肉類、乳製品、卵、大豆・大豆製品、パン・軽食、菓子、とに分かれている。これが本書の大部分を占める。
だが、項目が終わる度にコラム的にいろいろな知識が付け加えられており、そうしたところを読むだけでもためになる。
そして、冒頭の14頁まで、ここがなんといっても脂質についての適切なレクチャーである。そもそも脂質とは何か、脂肪酸とは何か、それが健康とどう関係するのか、またよく聞く「コレステロール」についての知識、こうしたことがきちんと説明されている。学生に対して説明するような仕方なのだろうか、これがまた図解されていて分かりやすい。こうした理解があってこそ、各データにある数値の意味が分かるということになる。もちろん、データの見方そのものも丁寧に説明されている。
さらに実用的なデータとして、外食や単品メニュー全体として脂質がどのくらい在るのか、という具体的な数値があるのが、役に立つ。とんこつラーメンがやけに脂質が多いのが気になったが、それは豚バラ肉を浮かべているせいであることが分かり、少しほっとした。カツカレーやカツ丼が多いのは、もちろん予想通りである。ハンバーガーやフライドチキンの多さは、当然かもしれないが、やはり厳しさを伝えてくる。
さらに最後に付録と称して、これこれの多い食品の一覧がグラフ化してあり、一回の使用量に応じてデータが目に飛び込んでくる。因みにいま、最後のコレステロールの多い食品をも見渡すと、豚の腎臓、ピータン、フォアグラ、スルメイカ、といった順番で多いことが見てとれる。レバーなどの内臓はやはり多いのだが、菓子類もなかなかのものである。
もちろん、それぞれ体に必要なものである。ただの数値をどうのこうのすればいい、というものではない。バランスよい食事を心がけることが一番大切である。どれかを極端に減じたり、逆にそればかり増やしたり、ということがよろしのではない。
そうした、健康情報番組のオーバーな宣伝とは異なり、本書は、安易に何がよいとかわるいとか指摘することはない。あくまでもデータである。そのデータをどのように利用するか、それは私たち一人ひとりに委ねられている。そのため、ノウハウ的なものを期待していると、少し面倒に思うことがあるかもしれない。しかし、タイトルの前置きのように使われている言葉「体によい"あぶら"のとり方がわかる」とあるように、それぞれの効能を弁えることは、容易にできそうである。
従って、一度腰を据えてじっくりと読んで学ぶことが必要なようである。

た
か
ぱ
ん
ワ
イ
ド