本

『知るもんか!』

ホンとの本

『知るもんか!』
イ・ヒョンジュ他
金松伊監修
ムグンファの会訳
汐文社

 韓国ベスト読みものシリーズの第5弾。私はこれだけを見つけて読んだことになる。
 子ども向けの話として語られ作られており、漢字にはふりがなもたっぷり打ってある。一つの話もたいそう短く、根気のない人でもきっと読める。
 ここには4人の作家の作品が多種集められており、作風も様々である。まとまりがあるのかどうかさえよく分からない。
 タイトルにあった『知るもんか!』は中でも笑える作品の一つ。概して、笑えるというタイプのものはこの本には少なかった。
 韓国の童話の特徴だろうか、場面の展開が急で、ぼやぼや読んでいると、さっきまでの会話とは全然違う場所、違う時の会話が続いていて戸惑う。そんなことも、この本から学んでいく。
 しんみりするものも多く、『遅刻生』はちょっとじんとくるし、最後の『おサルの花靴』に至っては、完全に寓話として描かれていると見てよいだろう。韓国と日本の関係も波瀾含みだが、そこへも連想が働いてしまうのは、穿った読み方だということになるのだろうか。
 冒頭の『子牛とオッパイ』のように、分かりやすく長閑な風景の中で描かれるものばかりだと、ハラハラしなくてよいのかもしれないが……。




Takapan
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