本

『全国四季花めぐり』

ホンとの本

『全国四季花めぐり』
小学館
\3675
2008.2

 表紙に書かれているコピーを紹介すると、「最新データで選んだ行ってみたい全国花の見所&絶景521か所」「旅先で気になる四季の花49種類355の花図鑑」とある。
 百科事典のような厚みと体裁を備えた、立派な本である。
 春夏秋冬ごとに、そして地域もさまざま、ときに京都の桜や紅葉、北海道の花マップなども一覧でき、多角的に花を知ることができる。
 そもそも、花を見るために旅に出ようとする人も多い。デジタルカメラの普及は、それまで銀塩フィルムになじめなかった人も気軽にシャッターを切るようになった。撮影するなら花がいい、と思う人も少なくないだろう。かくいう私もそうだ。花という被写体は、その美しさもさることながら、撮影にさしたる問題を含まないことが多い。もちろん、立入禁止の場所に入るとか、とくに傷めて撮影するなどの行為をしないかぎり、いたって平和な撮影となるだろう。
 美しい写真がちりばめられている本なので、それを見るだけでも楽しい。ことさらに芸術的な写真というよりも、観光に行って目にするような素朴な写真が集められているので、違和感なく見ることができ、行ってみたい、と気軽に思えることだろう。
 見頃や、見所なども簡単だがそれぞれ紹介されており、アクセスや必要なら料金なども併せて掲載されていて、親切である。
 巻末には、代表的な花の様々な種類が丁寧に紹介されており、同じ見に行くにしても、心豊かに楽しめるように配慮してある。桜にもこんなにたくさん美しい種類があったのかと改めて知る。ただ、福岡県の木でもあり、この辺りでは普通に咲いているクルメツツジの名がそこにないのは、ちょっと寂しかった。
 私がよく言う、索引もあるので、何か思い出して調べたいときにも活用できる。もし本当に遠方の地を訪ねてみるのなら、掲載された電話番号に問い合わせをして、さらに細かい情報を確認してから、というふうにしてみるのも一案だろう。
 いやはや、目の保養にもなるし、心も落ち着く一冊である。




Takapan
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