本

『さかなのかお』

ホンとの本

『さかなのかお』
ともながたろ・え
なかのひろみ・まつざわせいじ・ぶん
アリス館
\1470
2004.11

 絵本であるから、子どもでも十分楽しめる。「でも」という言い方は響きが悪いが、大人こそ夢中になりそうだったからだ。
 魚の立場に沿ったような説明もさることながら、イラストがまたいい。イラストレーターは、紹介によると「サカナまみれ」なのだそうだ。愛していないと描けないことは、素人目にも分かる。
 真正面から見た魚の顔が面白いことは、知っていた。その行列に笑いつつ扉を開けていくと、その「目」のしくみ、「口」や「歯」のこと、「鼻」なんて意味があるのかと思っていたら大間違いで、「耳」の違いに驚き、「舌」のはたらきに降参する。えら呼吸の仕組みも、知っているようで案外知らないものだ。
 最後に魚図鑑もイラストと簡潔な説明で並び、おまけとして「ふくわらい」まで楽しめる。
 遊び心満載と言いたいところだが、たぶん制作者たちは、いたって真面目であろうことが想像される。
 そんな絵本は、文句なしに楽しい。思いつきで情緒的に流れるような絵本もいいが、この理詰めでしかもわくわくするような絵本もいい。なかなか力がこもっている。そして、読み応えがある。
 イラストレーターにはホームページがあるという。http://www.linkclub.or.jp/~tarot/




Takapan
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