本

『夫の離婚』

ホンとの本

『夫の離婚』
SSCムック
SSコミュニケーションズ
\1300
2004.7

 2004年初頭に関西テレビ製作で放映された『僕と彼女と彼女の生きる道』というドラマは、その一年前の『僕の生きる道』にはまった私たちとしては、どうなんだろうという半信半疑の状態から見始めたドラマだった。だが、凛ちゃんと草gくんとの関係の変化に、世の多くの人々の感情をパパの応援へ導いた。
 突然言い渡される、妻からの離婚。一人娘を置いて行かれたことで、子どもと接したことのない草gパパは困惑する。だが、子どもと向き合って生きるように父親自身が変わっていく。ところが、ようやく父娘の絆が確認できたころ、母親が、娘を連れて行くと主張する。調停では、母親が勝つ……。
 精神的な、抽象的な、「離婚」へのアドバイスは多々ある。だが、おそらく当事者にとって最も必要なことは、現実に手続きに応じていく中でどうなっていくのかという問題であるし、また、かのドラマでは描くことができなかった具体的な金銭条件ではないだろうか。
 角川グループの発行するこのSSCムックによる「マネーガイドシリーズ」として出版された、この『夫の離婚』。妻側の視点に基づくものも当然あるのだが、私が手に取ったのは一応、夫の側からのもの。
 感傷的なぼやきなどは触れられない。ひたすら、現実に何がどうなるのかの紹介だ。そしておそらく関心が一番あるはずの、様々な費用について、明らかにされる。ときにQ&A形式で丁寧に説明される様子は、弁護士に相談しているような錯覚さえ起こす。
 これは役に立つ本だ。
 核兵器には、戦争の抑制力もある、というどこかの国の強力な論理があった。もしかすると、この本は、男たちに、離婚の抑制力をもたらすことになるのだろうか。




Takapan
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