本

『お天気ナビ観察じてん』

ホンとの本

『お天気ナビ観察じてん』
武田康男監修
大泉書店
\997
2006.7

 天気についての本で、こんなに分かりやすくて詳しい本があっただろうか、とさえ思う。
「水蒸気」にさえふりがなが振ってあるほどの本である。子どものために書かれたことは間違いない。しかし、はたして子どもが完全理解できるかどうかというと、難しい。様々な理科的なしくみについてある程度理解が必要なのと、天気についての常識的な経験が必要になるからだ。だが、子どもは何でも吸収する。多少難しいことが書いてあったって構わない。それが、すっぽり頭の中に入っていったりするからだ。
 いつも言うが、簡単に分かりやすく説明することができている本というのは、稀である。易しい言葉で説明できているとなると、著者の実力は相当なものなのである。そして、そういう本を、大人が読むとよいと思っている。子ども向けの良い本を、子どもだけに独占させておくのはもったいない。知りたい事柄があれば、まず子ども向けの本を探すのがベターである。
 豊富な写真とイラストが、実に美しい。本当にこんなに安い値段設定でよいのか、とも思う。
 天気についての、相当詳しい知識が身に付く。ためになる。なんだ、そうだったのか、と思う。
 中学の理科で、天気について学ぶが、明らかにそれ以上の学習効果がある。ただ、飽和水蒸気量の計算などの具体的な計算には乏しく、せいぜい湿度の計算の仕組み程度しか説明されていないので、この本だけで中学の天気の問題が解けるようになるわけではないので、念のため。
 それにしても、天気のことだけでなく、世の中のいろいろな仕組みが、こんなふうに良い説明がなされたならば、もっと多くの人が、多くの情報をもつことができるだろうに、と思った。




Takapan
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