本

『日本語あれこれ辞典』

ホンとの本

『日本語あれこれ辞典』
監修・宮地裕,甲斐睦朗
明治書院
\1890
2004.5

 二年ほど前に、雑誌「日本語学」の臨時増刊号を単行本化したものだという。
 面白い。かゆいところに手が届くというのは、こういうことを言うのかもしれない。
 素人にとり、しかも日本語についてちょっとうるさいところもあると自負し、さらにそれを子どもたちに教える必要があるという人間にとって、これまでの日本語の本は、帯に短したすきに長しであった。あまりにも大衆に媚びたようなものや、雑学百科といったものは、系統的な説明に欠け、また信用も薄かった。なぜかという根拠が示されなかったからである。他方、専門書は、素人が読むには難しすぎた。また、正確さを求めるあまり、要するにどういうことかという点で分かりにくいものだった。
 だが、日本語に対する素朴な疑問というものについては、もう少し信頼ある、それでいて読み解きやすい説明が欲しかったのである。
 その疑問というのは、実際私たちが、なぜかなあと感じるようなものでなければならない。架空に設定された疑問だと、別にそんなこと質問したくはないよ、という気がしてくるものである。
 そこへいくと、この本のバランスはいい。
 具体的な語の使用法から、日本語の由来、誤用や表記法、方言についてや、コンピュータ用語についても多数の疑問が集められている。Q&A形式で説明されるものにしては、私が疑問に思うことが実にたくさん記されていた。
 国語を教えるには、必要な本ではないか。というのは、子どもたちは、実に素朴な質問を寄せてくるからである。「こんにちは」の敬語って何? 「重い」に「重たい」があるのにどうして「軽い」しかないの? どうして「適当」が悪い意味になったの? 書き順って誰が決めたの? さあ、どう答えたらいいだろう。その答えは、この本にある。
 気になるのは、記されていることだが、「カリスマ」が「人気がある」という意味で理解されているというのは、憂慮すべきことだ。ただし、この本でも、辞書にある程度の日本人理解の意味しか載っていなかった。カリスマとは、「賜物」のことである。少なくとも、聖書に使われている意味は、そうである。
 なお、ホームページに日記が多いのは、日本の特徴だそうである。アメリカの三倍の割合で日記があるという。なぜかの説明は一概に言えないが、日本には「日記文学」というものがあるからではないか、とこの本は提言している。わが「たかぱんワイド」も日記を頑張っている。
 そして、図書館に返した後、この本をついに購入してしまった……。




Takapan
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