本

『根津あかね』

ホンとの本

『根津あかね』
いわむらかずお
理論社
\1260
2005.3

 ひさぱんがJr.2を歯科に連れて行く。待たされるのがいつも長いので苛々する。そのひさぱんが、私の借りたこの本を手に行った。看護師さんがJr.2の歯の具合を説明しに来たとき、覗き込んで声をかけてようやくひさぱんが気づいたというほど、ひさぱんはこの本に浸っていたという。
 ピーターラビットもそうだが、小動物に感情移入するのが、ひさぱんの特技である。また、自分で物語をつくるとしても、そうした舞台を準備するのが好きだ。
 かんがえるカエルくんや14ひきシリーズで人気を不動のものにしているいわむらかずお氏が、絵よりもむしろストーリー主体で送りだした童話。そこには、草の香りや動物の毛の臭いまでが、行間から漂ってくるような気がする。
 しかも、ストーリーそのものがけっこうミステリー。
 すぐに読めて、驚きもあり、しかも可愛い。
 ひさぱんの大好きな世界であるという。私も分かるような気がする。
 森の中に行ってみたくなる。そして、生き物たちを抱きしめたくなる。きっと、心が温かくなる。優しくなれる。そんな本である。




Takapan
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