『定番おそうざい めん料理』

『定番おそうざい めん料理』
暮しの手帖社
\1260
2007.4

　小さな食べ物屋の前にのぼりがあって、「一日一麺」と書いてあった。食べてもらおうという呼びかけであるが、けっこうそれは私たちの生活に合った言葉でもあるかもしれないと思った。
　もちろん、人それぞれである。外で麺類ばかり食べるというのもどうかと思うが、案外そんなものなのかもしれない。これは、統計を取らないとなんとも言えないのだが。
　美しい写真とレシピの本である。単調と言えば単調である。
　しかし、そのひとつひとつの料理が、目を見張る。季節の品が添えられる。通常は思いもよらないような、味のある料理の写真が並ぶ。
　このレシピの通りに、素人が作ってみて、その味具合がきちんと検証されている。そういう編集方針でまとめられているレシピである。私たちも、この通りに作れば、同じ味が出せるという安心感が伴う。
　そうめんやひやむぎについてまとめられた章、中華の章、うどんやそばの章、エスニックな料理と変化に富む。
　ありがちな麺ものが、バランスのよい満足のいく料理と変わる。そんな楽しみが与えられる。よい本だ。