本

『もっとじょうずにマンガが描けるコツ50』

ホンとの本

『もっとじょうずにマンガが描けるコツ50』
カルチャーランド
メイツ出版
\1365
2006.11

 こんなふうに、マンガの書き方を基礎から教えてくれる本は、昔はちらほらあったような気がする。錯覚だろうか。
 案外、そのような本が今は見当たらない。やたらマニアックなものは一部にウケるものとして好評だし、やたら精神論的なものもあったりする。しかし、ただ単に道具の使い方や基本的な線の使い方など、誰でも知りたい基本的知識について、もっと淡々と教えてくれる本があってもよさそうなものだと思われる。
 そうした地味な企画だと、売れないというので出されないのではないか、と予想する。
 さて、この本は、そうした意味でも企画が進んでいる。マンガが好きでたまらない中学生が、マンガを通じて友だちと心が通い合っていく、というストーリーを底辺に捉え、時折マンガの基本技について解説を施すというものである。
 親しみやすく、読む興味を誘うというので、楽しい企画であると思う。
 ただ、そのストーリーがマンガで展開されていくために、実はかなりの頁数をそれに費やしている。もしも、そこに、用具の揃え方や用具の基本的な使い方などのために、もっと頁が割かれていたとしたら、もっと実用的な本になっていたのではないか、とも思われる。
 しかし、「読ませる」入門書として、そのストーリーがあるために役立っているという点は否めないので、この辺りの評価は微妙であろう。
 なかなかありそうでない種類の本として、最近では目立つものである。
 子どもたちの間でも、絵は巧いが道具については何も知らない、という子が多い。私などは、絵は巧くないが、道具だけは揃えたクチである。おかげで今も家には、Gペンやカラーインクや羽ペンや絵皿などが揃っている。
 ところで、用紙については全く説明がなかったのは、もうマンガ用原稿用紙というのが市販されている以上、解説の必要がないという意味だったのでしょうか。




Takapan
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