『「星の王子さま」と永遠の喜び』
ルドルフ・プロット
パロル舎
\1680
2002.3
ファンの多い、おとなのための童話でもある「星の王子さま」。モーツァルトが、神の音楽を実現したとすれば、その本は、神の言葉を聖書とは違う形で文字にしたものかもしれない。
そんな「星の王子さま」を期待して読むと、どうなるだろうか。もしかすると、少しがっかりするかもしれない。ここで紹介する本は、その名作を題しながら、その作品について論じたり感想を述べたりするものではないからだ。
著者は、山口県のカトリック教会の司祭。正確には助任司祭だという。イエズス会より日本行きを命じられ、日本に暮らして40年。最初はずいぶん苦労されたようだが、チェコの人だけに、語学は天才的だ。この本にしても、訳者など必要ない。v
人生の喜びを、読みやすく理解しやすく説いてある。本の魅力は、そのあたりだ。幸せとは何か、それを、とりたてて系統だって述べるわけでもないし、妙に説教調になるとか、説得しようと構えているとかいう感じもない。ごく自然に、人生の先輩が自らの理想とする生き方を語っているようにも見える。それでいて、息吹が実に若々しい。
それは、もちろん「星の王子さま」のシーンと重なり合う時がある。同時に、聖書の中のシーンとも重ね合わせて語られるときがある。聖書をいくらかでも知っておけば、なかなか味わい深いものであるが、たとえ聖書の内容に疎くても、そのような読み手を排除するような書き方はしていない。
時に、甘い理想ばかり書かれてあるように見る人がいるかもしれない。しかし、人生での喜びを考えつつ、最後に死の問題に迫るとき、甘いとか甘くないとか言っている場合ではないことに、私たちは気づく。著者は、それを最終的に、キリストの復活につないで見つめようとする。この本の題そのものが、それを目指しているようにも思われる。
だが、教義云々で好悪を区別するのはもったいない。よくよく己を省みれば、この本の中には、たくさんの教訓があり、ほんの少し自分のほうが変わることで、まわりの景色もずいぶん変わってくるという真理に、気づかされるものだろう。
私たちは、この本から、ずいぶんと励まされ、勇気づけられるだろう。

た
か
ぱ
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ワ
イ
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