本

『くらしの理科まるわかりブック』

ホンとの本

『くらしの理科まるわかりブック』
現代用語の基礎知識2004別冊付録
自由国民社
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2004.1

 果たしてこれを独立した本と位置づけて評してよいのかどうかさえ、私は知らない。ただ、図書館ではこれを単独で貸し出してくれた。
 なんとも楽しい本であった。見開き2頁に、気になる最新技術のからくりが分かりやすく説き明かされている。図解あり、イラストあり。素人が見て喜ぶにはもってこいだ。  もちろん、それを読み解くためにも、ある程度の科学や世の中の動向についての知識が必要であるとは言えるだろう。しかし、専門的な知識は何一つ必要としないであろう点では、たしかにこれは一般人向けの、科学への啓蒙書に違いないのである。
 内容は、インバーターからノンフロン、電波時計やIP電話の仕組みなどに始まり、プラズマテレビやDVDなどの説明、それからそもそもコピー機はなぜコピーができるかということや、携帯電話の方式の違いや発光ダイオードの原理、さらに最後には、環境問題全般に及ぶ視点から、温暖化や燃料電池、原子力発電などの説明に頁を費やしています。  随所にコラムとして、電気や電波などについての基礎の解説も施されており、付録という立場にするにはもったいないほどの内容です。
 原理も何も分からないで使っている私たち。使えればいいじゃない、という意見もある。たしかにすべての理屈を知らなければ使えないとするなら、それは要求が高すぎると言えるだろう。しかし、ただ幾つかのボタンを押すのを選ぶだけの使い方で済むのならともかく、一定の原理や仕組みは理解しておいて損はない。それどころか、ある程度の理屈を知らなければ、身の危険に気づかなかったり、人を傷つけたりすることも起こりうる。携帯電話の電力の強さから、そこに発声する強力な磁場の影響など、あまりに無知で人を害していることに無関心である人々が多い現状をみると、電気機器の使用に関しても、何らかのライセンス製が必要なのではないか、とさえ思えてくる。
 とくに科学的事象については、その理屈を知っていてしかるべきだ。特定のマニュアルに収められたこと以外にも、何が起こるか知れないからだ。




Takapan
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