本

『どこが違うの? ホタルの光と蛍光灯』

ホンとの本

『どこが違うの? ホタルの光と蛍光灯』
藤嶋昭監修
神奈川科学技術アカデミー 科学書編集委員会編集
丸善
\1260
2006.7

 くらべるシリーズ2だというが、他の番号の本は私は知らない。
 タイトルにあるように、ホタルの光と蛍光灯を比較する。その原理を説明し、共通する部分と相違する部分とを明らかにする。実にストイックな本で、遊びの要素は少しもない。
 しかし、ひとつひとつのコーナーが短く、厭きないうちに読み終える。内容が難しい割には、楽しめると感じたのは、そのせいもあるだろう。
 ほかにも、塩と砂糖、化学肥料と有機質肥料、ウニとヒトデ、食べる油と燃やす油など、比較は多岐にわたる。科学的関心を以て読むなら、これほど楽しい説明もない。まるでNHK特集のように地道な解説が続くけれども、興味深い比較と説明が続くのである。
 ちょうど、夏期講習で、この夏は理科の担当時間が多かったところである。あいにく、この本に出会ったのが遅かったため、授業そのものに活かすチャンスは殆ど生まれなかったが、そのような場所で大いに活躍しそうな本ではないかと思った。
 必ずしも、硬い内容ではない。日常生活にありふれたものについて、深く捉え直してみよう、というだけのことである。うまく商売すれば、もっとよく売れるのではないかと思う。というのは、この本が、ハードカバーとなっているからだ。丸善はあまり売ってやろうという気がないのだろうか。たとえば、新書にして値段を半分にすれば、けっこう売れるのではないか、と思うのだが……。




Takapan
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