『子どもの表情・しぐさ・行動がちょっと変だな?と思ったとき読む本』
市川宏伸
主婦と生活社
\1365
2007.7
子どもの異常に気がつくというのは、案外難しい。
あれもこれも異常ではないか、と気にしすぎると、その親は、そんなに気にすることはない、と慰められる。このくらい何でもない、と思っていると、実は大変なことに気づかなかった、と後で注意されることがある。
ファインプレイは、ちょっとした、重要ポイントに気づいて受診する、というものである。私は一つ気づいた経験がある。子どもの聴力のおかしさである。ほんとうにまだ小さなときであった。
他方、鈍いこともあった。喘息にするような環境で平然としておいたために、思い喘息を患わせてしまったのである。
やはり、子どもの病気については、判断が難しい。
しかし、どういう点に気づいたらよいのだろうか。
この本は、前半で、マンガ仕立てでよくあるケースを紹介してある。今風の本はそうなるのだろうが、事実大変読みやすく、判断しやすい。
もちろん、それで病名が決まるわけではない。疑われる病気が紹介され、それについて詳しく学ぶようにさし向けられるのである。また、マンガによる寸劇では網羅できなかった、他の兆候についても説明されているので、親切である。
後半は、まず治療についての知識を広め、最後に様々な病気の実態が明かされる。こうしたいくつかの視点をもって編集されている本というのは、それが明確に分かれている限り、たいへん便利である。よく工夫されているものだと思う。
ただ、いつも言うのだが、この種の本は、ぜひ索引を設けてもらいたい。ふと調べるときに、また全体を開いていかなければ情報に当たれないというのは、どうにも辛いものである。せっかく治療法の説明があるのに、いざある病気の治療法はどうだろうと思っても、見出しすらないのである。全部読まなければならないというのは、不親切である。
教養のためでなく、必要を覚えてこうした本を手に取る人が少なくないのであるから。